シロ

オイラが今住んでるところは
博多駅から徒歩10分くらいの場所で
割と都会なんだけれど
以前は田んぼや畑があったみたいで
こじんまりとしているけれど
未だに畑が少しだけ残っている。

その畑へ近くの川から水路がひいてあって
水路の横に狭い農道がある。
アスファルトではなく砂利道だし
車道と水路を挟んで道があるので
クルマが走ることもなく
オイラの散歩コースになっている。

今日は散歩に行く時間が遅かったので
農道ではなく車道の方を行こうとしたんだけれど
なんとなく惹かれるように農道を歩いてたら
シロにでくわした。

シロはうちの近所に住み着いている野良猫。
去年の夏あたりからよく見かけるようになったんだけど
その時はすでに病気にかかっているみたいで
かなり弱っていた。
下の歯は抜け落ち、エサをねだる声さえもろくに出ていない。

つい数日前まで日向ぼっこをしていたシロを見ていたのだけれど
今日見たシロは農道の片隅で体を横たえ
変わり果てた姿になっていた。


しばらくじっとシロの遺体を眺めたあと
どうにかしてあげようと思ったけれど
どうしてあげればいいのかわからない。

農道の隣には林があるので
そこに埋めてあげようかなとも思ったけれど
私有地だし、フェンスを乗り越えて勝手に入るのも
はばかられるし、まずその前にスコップすらもっていない。

近所に知り合いもいないし
どうしたものかと友人に電話してみると
行きつけの動物病院に聞いてみれば?と言われたので
事情を話してみると小動物の遺体を回収してくれる業者さんがあるらしく
そこに電話をしてみた。

遺体がある場所を教えると
今日か明日の午前中には伺いますとのこと。

とりあえず安心して
一旦うちに帰り、新聞紙と少しのご飯を持って
再びシロのもとへ。

近くの公園で一輪だけ花を摘んで
新聞をかけ、花をそえて
オイラなりのお別れをしてあげた。


それから30分もしないうちに業者さんがやってきた。
慣れた手つきでシロをビニール袋に入れると
あっという間に帰っていってしまった。

あっけない最後だった。



友人から
きっとシロに呼ばれたんだよ。
最後のお別れ言いたくて見つけてほしかったんだよ。
ご飯あげるだけじゃなくて
名前や愛情をくれた人だからね。
そう言われて、堰を切ったように涙がボロボロとこぼれてきた。

ありがとう、シロ。
業者さんに聞いたら
おそらく今日の朝くらいに息を引き取ったんだろうと言ってた。


野良猫に生まれてきて
暖かい部屋で冬を過ごすこともできず
ご飯にもろくにありつけず
病気になっても
誰が世話をしてくれることもない。
人知れずそっと短い人生を終えたシロ。

でも、誰にも悲しまれずに逝ったんじゃないからね。
天国に旅立つ時は立ち会えなかったけれど
オイラは最後まで一緒だったからね。

天国でおいしいものいっぱい食べて
幸せに暮らすんだよ。

またね。
おやすみ。

 
| 2014.04.24 Thursday | 18:54 | [ ぶん ] | comments(0) | hatu |

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